【4章】晴れやかな卒業!?惨めさの渦中で決断した「一つの選択」

 

 

前回の物語

チャリで脳が朦朧としながら家出をしたり、高校最後の青春を投げ捨ててバイトした。

明らかに不良になっていった・・・・

【3章】恋愛に部活に青春!なんて幻想は一切ない!ガタガタと崩れる人生の歯車

 

 

こばりん
「上智大学行きたいなーって思ってます(ボソッ)」

高校3年の秋、もの静かで冷淡に言った言葉が無謀なことだとは全くもって知らなかった。

授業中、先生にどこの大学に行きたいのか聞かれた。

 

全国の大学が紹介されている本を見ていたおれはなんとなく行けそうな大学の中でも優秀そうな学校を選んで言った。

ところが、そんなレベルではなかった。

 

先生は言いづらそうな面持ちで、俺に話した。

「上智大学が東京6大学の少し下ぐらいのレベルだ」と・・・

初めて知った事実に愕然とした。

 

麻雀漬けの不良高校生

 

勉強はろくにしてこなかった。

むしろ学校サボりまくって、麻雀ばかりをしていた。

本当に毎日毎日麻雀に明け暮れていた。

朝は寝坊して2時限目から登校して、3時限目にはすでにいない。

 

麻雀をしていたのだ。

おかげで、秋の段階ですべての授業があと一回休むと単位が取れない落第リーチだった。

 

学校に行く意味がわからなかったし、通うのが面倒臭かったので自主退学も考えていた。

そんな時期は高校2年生のときにもあった。

高校3年間のうち後半は退学するかしないかの瀬戸際の毎日だった。

 

結果的には卒業したのだが母親には相当迷惑をかけた。

 

ぶっちゃけ入学当初からそういう人間じゃなかった。

むしろ学校では優秀なほうだった。

 

地元の工業高校に入学したのだが、同級生はほとんど勉強などまともにしない人が多かった。

高校入る前はインターハイに行きたい!と本気で思っていた。

野球部はロボット化することに完全に懲りていたから絶対に入らないと決めていた。

中学では強豪だった野球部に入っていたのに勧誘などは一切なかった。

おそらく小柄だったし、ギリギリ滑り込みでレギュラーだったからだと自分では思っている。

 

弱小チームでピッチャーをやっていたAと知り合った。

実はAとは最初、恋愛話や止まったりするぐらい仲が良かったが半年後には一切口をきかなくなった。

このAはものすごく野球部に勧誘されていた。

身長も高かったし、弱小チームといえピッチャーをやっていると魅力があるのだろう。

 

俺が体育の時間に野球をやっていると野球部にメチャクチャ褒められた。

よく打つし、ピッチャーをやっては球が早かったし、野手をやったときには、まるでロープを一直線に張ったかのような送球したからだ。

 

まーそりゃそうだ。

中学の時は犬が「はぁー、はぁー」とベロ出しながらご主人様がお手という合図の「お」を聞いた瞬間にお手をするぐらいに鍛え抜かれたから。

 

 

バドミントン部をクビになって170度人生が変わった

 

入学前に「高校入ってからインターハイにいけるとしたらー?」と考えたところ、バドミントン部を選択した。

他県ではバドミントン部は幼少期からあるが、県内ではほとんどが高校からバドミントンを始める。

きっと田舎で人口が少ないからだろう。

 

入部後1ヶ月も経ったときには、すでに将来のエース候補だった。

先輩からもチヤホヤされた。

若干、天狗気味だった。

いわゆる調子に乗っていた。

 

さっきのAと一緒に数日間いろんな部活を見てから入部した。

バドミントン部に入ることは決めていたが他の部も見ておきたかったし、Aはどの部活に入るか決めていなかった。

体育会系の部活を見て回ったあとにAを誘って2、3日後にバドミントン部に入部した。

 

Aとダブルスを組んでいた。

入部したてのころは成長も早くドンドン上達していった。

入部3ヶ月後には全県規模の誰でも出場できる大会があった。

そこで、おれはエース候補とあってか当時の先輩エースとダブルスを組んで出場しろと監督に言われた。

 

ものすごく嬉しかった。

先輩だけでなく監督にも認められているんだと知ったからだ。

 

その大会では4回戦まで進んだ。

入部3ヶ月の1年生坊主がエースと組んで年上チームをことごとく破り4回戦まで進んだのだ。

これはすごいことだと思う。

と言っても、ほとんどエースのおかげだが。

 

さらにびっくりなことに一人で試合するシングル戦で、初戦の相手は他校の2年生だったのだが奇跡的に勝利した。

2年生ということは1年間練習してきている。

おれはたったの3ヶ月だ。

 

じつは試合の内容はまるでケンカしているようだった。

笑顔で始まったのだが、相手は思いのほか1年生坊主やられていることに焦ったのだろう。

明らかにイラ立っていた。

 

シャトルの渡し方も「ほわッ」としたものではなく、「バチーン」と相手に対して明らかに失礼だった。

それを見た相手方の監督が言い放った。

相手の監督
「なにやってんだお前ぇぇぇぇ(怒)」

 

それから相手の行動はおとなしくなった。

おれは見事に勝った。

はじめて3ヶ月の1年生が2年生に勝った試合は今までにそれだけだったろう。

他に聞いたことがない。

 

その1ヶ月前に地域レベルの総体があった。

シングル戦に出場させてもらえたのだが、なんと無情にも一回戦の相手は昨年シングル戦で県大会優勝している強豪校のエースだった。

団体チームもダブルスもシングルスも毎年インターハイの常連校だ。

 

大会前に先輩と賭けをした。

試合は15点先取の3セットマッチだ。

普通、入部2ヶ月の1年生は相手がミスをしない限り1点も取れない。

というかミスをしたとしても1点も取れない。

 

相手は強豪校のエースだ。

1点なんか取れたら奇跡としか言いようがない。

先輩に言った。

こばりん
「もし3点取ったらジュースおごってくれませんか?」
先輩
「いーよ^^でも絶対取れないよ」
こばりん
「マジっすか!じゃあ5点取ったらお好み焼き1枚おごってくれませんか?」
先輩
「いーよー、いーよー^^絶対無理だから^^」
こばりん
「じゃあ7点取ったらラーメン奢ってもらえませんか?」
先輩
「もちろんいいよ^^」

 

痛烈なビンタが会場を飲み込んだ!

 

入部後初めての大会。

大会のときに感じる異様な雰囲気は好きなほうだ。

 

いつもは味わえない緊張感がゾワーッと背筋を走る。

武者震いかはわからないが、身体が小刻みに震えてしまう。

 

試合の直前、手にはものすごい汗をかいている。

緊張は高まって来たが、まだまだほどよい緊張感ぐらいだ。

あいかわらず身体が軽くだがブルブルと震えている。

 

相手チームの雰囲気は凄まじい。

何より応援の仕方にビックリした。

チームの選手が試合しているとき、コート横に他の選手がズラッーと座って応援しているのだが、ポイントを取った瞬間

応援団
「うぉおおおおおおおおお!!」

と両手を天に突き上げながら雄叫びをあげるのである。

 

練習中には全く感じとれなかった。

その異様さに唖然としてまさに開いた口がふさがらなかった。

直後に薄ら笑いをしてしまうほどだった。

 

ついに初めての試合が始まろうとしている。

緊張感は極限まで高まっていた。

蒸し暑い体育館なのにずっと震えが止まらない。

 

試合開始前に相手選手とラリーをする。

 

身体が軽く感じる。

ラケットが手につかない。

シャトルを打っているつもりがしっかり打てている感じがしない。

緊張で身体がどうなってるのかわからない。

 

まるで自分の体じゃないような状態で無残にも試合の幕はあけた。

 

なんだかわからないまま試合は進んでいく。

相手は強豪校のエースだ。

相手の思う通りに試合は進む。

ポイントを取られるたびに相手の応援団はうねるように雄叫びをあげる。

まさにライオンに睨まれたうさぎだ。

 

試合は開始直後から1点も取れずにすでに終わりに向かっているようだった。

入部3ヶ月の新入部員がポイントを取ろうなんて。

 

弱い年上の選手ならまだしも、あいては全県大会優勝選手だ。

絶対に1点も取れるはずがない。

 

周りのことはよく見れていなかったが、きっとそんな雰囲気が漂っていただろうし、そういう眼差しでみんなは試合を見ていたに違いない。

賭けをしていた先輩も応援という名目でコート横に座っていた。

「かわいそうに・・・」そんな空気を俺は肌で感じていた。

 

野うさぎがライオンにむざむざと食べられる様を見ているのだ。

 

身体は緊張感を通り越し、まるで血の気がないのか手足冷たくなるようだった。

何もできないまま4点ほど取られたころだ。

 

こばりん
「はっ!!!!」

何かがおれの体を通り抜けた。

こばりん
「おれは何をやっているんだ。おれは何にビビってるんだ。ふざけてんのか?」

 

次の瞬間、おれはラケットを左手に持ち替え、野球部で有能なAIロボットになるまで鍛え上げた利き腕で、自分のほっぺを「バチンっ!バチンっ!」としばき始めた。

 

渾身の力を振り絞って全力でしばいた。

自分が納得いくまで全力でビンタした。

 

10回ぐらいビンタしただろうか。

何回やったかは全く覚えてないが自分の身体が納得いくまで叩いたのは覚えている。

 

こばりん
「はっ!!!!」

 

2度目の気づきがあった。

周りがメチャクチャ笑っている。

会場をつつむぐらいの笑いが起きていた。

 

相手が注目選手ということもあり、試合は関係ないチームも強豪選手の研究目的で観戦に来ていた。

 

というか今更ながら女子が多いことに気づいた。

男子の試合に女子が観戦している。

エース級の選手は女子にも人気があったのだ。

 

会場中が注目をしていた。

ステージ上には各校の監督が座っている。

注目されていたのだ。

 

そんな中でおれは、自分に手のひらを全力で顔にぶちあてるという行為を10回近くお見舞いしたのだった。

ある意味、身体を張って人を笑わせるエンターティナーと言っても過言ではない。

 

2度目の気付きが来た。

こばりん
「はっ!!!!!!!」

としたときには時すでに遅しだ。

 

軽く恥ずかしさが出て来たがそんなことは言ってられない。

すぐに試合に集中した。

 

そこで気を取り直し、ふたたび試合が進行した。

なんとなく身体の軽さがなくなった。

というよりも身体が試合に馴染んできたという感覚だ。

 

手の感覚もよくなってきた。

シャトルを打つ感覚がいい感じだ。

むしろ身体の軽さを利用できているようだった。

身体がよく動くようになったし、シャトルがよく見えるようになったし、ラケットがよく振れるようになった。

 

その直後、なんと初ポイントをあげることができた。

 

もうそれはなんと表現していいのかわからないほどの信じられない出来事だ。

アメリカ人なら

「アンビリーバボ????!!ユーアーワンダーボーイ!!」

と言い放つに違いない。

 

それを皮切りに快進撃を続けた。

どんどんポイントを取っていった。

 

時には逆転もした。

 

誰が予想したろう。

いや、予想できるものはいないはずだ。

入部3ヶ月の新入部員が県大会チャンピオンとここまで張り合おうとは。

 

試合は接戦のまま進んだ。

3点、5点、7点.・・・

こばりん
「ラッキーー!!ジュース奢ってもらえるーー^^」
こばりん
「やったー!お好み焼きたべれるぜっーーーー(嬉)」
こばりん
「おっしゃぁぁぁぁーーーーー!ラーメンゲットだぁぁぁぁ!!!」

と心の中でニンマリしながら先輩にアイコンタクトしていた。

 

試合はドンドン展開していった。

11点目を取った時にはチャンピンオンをリードしていた。

しかし、そこで力は尽きた。

 

試合はかなりの体力を消耗させる。

ましてや初試合。

さらには県大会チャンピオンを相手にしている。

 

チャンピオンは自力を見せつけ、一気に15点目を奪取した。

 

1セット目は11対15と誰もが驚くほど善戦した。

2セット目は、さすがはチャンピオンとしか言いようがない。

1セット目ほどの甘さは見せてくれなかった。

 

それでも3点を取ることができた。

3対15点という結果になった。

 

ここでおれはここら一帯のバドミントン部の中で一躍に有名になった。

 

ある意味、ビンタの方で有名になったのかもしれない。

後にも先にも試合中に自分の顔に渾身の力でビンタした話しは一度も聞いたことがない。

 

話を「ギュイーーーン」と戻すことになるが、それから1ヶ月後にあった入部してから3ヶ月後に参加した大会の2回戦で

そのチャンピオンと再び当たったのだ。

 

試合前からなんとなく、まったく試合相手にしてもらえない予感がしていた。

あえなく試合は足元にも及ばず1点も取れずに終わった。

 

ちなみにチャンピオンとは前回の大会終了後から仲良くしていた。

家に来たこともあるぐらいだ。

 

大会後、おれはさらに調子に乗っていった。

 

新人戦のときには1年生ながらにしてAとともに2年生の団体に入っていた。

入部当初からAとダブルスを組んでいたのもあって、新人戦もダブルスを組んでいた。

 

その新人戦が半年間のバドミントン生活にピリオドを打った。

 

おれは新人戦前から若干浮き気味になっていた。

 

監督の他にコーチがいるのだが、そのコーチがものすごくムカついていた。

時々しか来ないくせにネチネチものを言ってくる。

練習の仕方にもイラついていた。

それに対し舌打ちをしたり、直接文句を言ったりもした。

なんの結果も残していない1年生坊主がだ。

 

今だから言えるが、調子に乗った1年生はハッキリ言ってチームにとってマイナスの存在だと思う。

士気が下がる。

練習の雰囲気が壊れる。

 

実力はだんだんとついてきたのだが、そんなこんなでAとは次第に仲が悪くなってきた。

当然ダブルスも不穏だ。
(まー全部おれのせいなんだけど・・・)

 

初日は団体戦だ。

会場に着くと団体メンバーはアップをしていた。

もちろんおれもやっていた。

 

他のメンバーはコートの準備をしていた。

団体から外れた先輩がコート準備のものを運んで来たから「おれがやりますよ^^」と言って荷物を預かり準備の手伝いをや

ろうとしたら、急に監督がおれのところにきて怒りの言葉をぶつけてきた。

監督
「お前なにやってんだっ(怒)もういい団体からはずれろ!!」

荷物を預かった先輩に

監督
「お前団体入れ」

と言い放った。

 

こばりん
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(怒)」
と内心怒り狂った。

 

意味がわからなかった。

その後、理由も聞かなかった。

 

練習するどころか休憩場に戻り、マイラケットをイスに何度も叩きつけグシャグシャにしてゴミ箱に捨てた。

近くに他校の女子がいたが、気になんかしてられないぐらいにイラだっていた。

 

団体戦が始まった。

元々は団体戦の2番手ダブルスとして出場する予定だったのだが、早朝の意味不明な出来事のおかげで出番はなくなった。

 

Aはダブルスではなく最初のシングルスに出場することになったようだ。

大会前からドンドンと力をつけていたAの実力は、おれを追い越して今やエース候補となっていた。

 

団体シングルスではことごとく年上の2年生を破っていった。

 

すごいことだ。

まさに快進撃。

結果的に団体戦は準優勝した。

決勝戦まで負けなかった。

 

明らかにAは準優勝の立役者だった。

 

平静を装っているAが無性にムカついた。

しかし、実力は明らかにおれより上だ。

認めざるを得ない。

 

周りはおれに対しエース候補だから調子に乗っても目をつむってきた。

だが、チームにとっておれはもういらない。

ダブルスとシングルスは1年生と2年生は分かれて大会を行う形式だ。

Aと組んだダブルスではベスト8で負けた。

最後はおれのミスだった。

 

負けた瞬間Aは

A
「はい、終わった」
と言い捨てた。

この言葉が耳から離れない・・・

 

仲は目に見えて悪かったからやっと終わったと思ったのだろう。

一応、大会前は優勝候補と言われていた・・・

 

シングルスでは地域の新人戦で勝った相手にベスト8で負けた。

そして、Aは優勝した。

 

さよなら、バドミントン

 

新人戦の翌日、おれは学校を休んだ。

気持ちが晴れなかった。

ずっとモヤモヤしたままだった。

 

新人戦まで練習してもうまくなれる気がしない日々が続いていた。

メンタル的にやられていた。

「とりあえずここまでやって来れたし、実力的にはチームの中でも上の方だし、もっと頑張れば強くなれるかなー。まーでも、Aとダブルスを続けるのは無理だろうなー」

と思うようになり、だんだん開き直ってきた。

 

さらに翌日、学校に行った。

 

午後に監督に呼ばれた。

行く途中、同じ部員から
「前に大会後は絶対に休んじゃダメって監督が言ってたぞ」
と言ってきた。

 

そうだっけ????

と思いながら監督のいる職員室へ入った。

 

監督の第一声は思いもしなかった言葉だった。

監督
「もうお前やめるだろ?これすでに払った分の部費だ。」
こばりん
「っ!!!????」

 

何を言ってるのかわからなかった・・・

おれは黙ってしまった。

 

むしろ昨日、再起を決意したばかりだ。

やめる気なんか全くなかった。

想像さえしなかった。

 

こばりん
「なんだこれは???」
「夢か?」

 

そう思いながら時間は過ぎた・・・

同じ職員室にいる例のむかつくコーチがこっちにやってきた途端に一言、言い捨てた。

 

コーチ
「監督は優しく言ってるけど、やめろって言ってんだよ!」
こばりん
「うるせぇぇぇぇ!このメガネジジイィィィィィィィィ(怒)」

 

そう思い立ち上がった。

部室へ行ったら、おれの荷物がまとめられている。

 

キャプテンに対して

こばりん
「何やってんの?」
と言った。

 

完全に切れモードに入っていた。

仲のいい先輩が顔をだしに来てくれた。

 

こばりん
「おれ、クビなったんすね・・・」
先輩
「・・・・・・」

 

先輩はダンボールに入っているかわいそうな捨て猫を見るような眼差しで見送ってくれた。

 

このバドミントン部をクビになったエピソードはおれが親に言えない秘話である。

親にはつまんないからやめたと言っている。

 

団体に入ったり、年上に勝ったりとある程度の成績を上げていたから期待していたのかもしれない。

ほとんど誰にも話したことがない。

 

話す時は、エース候補だった。とか

調子に乗ってたら嫌われてクビなった。とか

笑いをとるような軽ーい感じでは話すことはあるが、マジマジと話すことはできなかった。

 

理解して欲しいとも思わないし、同情して欲しいとも思わない。

人生経験の中でもトップ5に入るほど辛い感情的な出来事だった。

 

忘れられない・・・・

高校生にして冷たく重くトゲトゲしい思い出だ。

 

ちなみに学校の成績も良かった。

工業高校だから科ごとにちがうのだが、成績トップの科に入っていた。

 

テストの結果では上から2位だった。

平均点93点を超える成績を取っていた。

 

しかし、バドミントン部のクビをキッカケに180度違う人生を歩き始めた。

まったく勉強しなくなった。

 

監督にクビ宣告をされたときに言われた一言があった。

監督
「勉強できるやつは勉強に逃げれるんだよ」

 

関係あるのか・・・?

 

転落の時代にひと飲みにされた

 

そして生活態度が変わった。

授業中に1度も寝たことがなかったのだが平気で寝るようになった。

遅刻もするようになった。

途中で帰るようにもなった。

ピアスを開けた。

 

友達とスーパーのトイレで安全ピンに消毒液をたらし、耳たぶにピン先を当てながら狙いを定め、一気に「ずぶぅっ」とはいかなかった。

「ビヨーーーーン」と耳たぶは伸び上がりなかなか貫けない。

持つところをもっと針が当たっているあたりにつかみ直してグググっと差し込むとやーーーっとあいた。

 

ピアスの穴をあけるのは大変だ。

じつはピアスをあけたスーパーは友達と冬休みにバイトをしたくて面接に来た場所だった。

 

面接の直前に友達と耳に穴をあけて、耳たぶにデカい安全ピンを挿したまま面接を受けた(笑)

 

冬のバイトのない日はスノーボードに明け暮れた。

 

スキー場で友達に勧められて初めてタバコを吸った。

吸った数秒後に脳がクラクラした。

初めてのヤニクラを体験した。

それから当分のあいだタバコを吸っていない。

 

無知が言い放った志望校

 

その後の定期テストは意外にも勉強しなかったのに10番以内にいた。

意味がわからなかったがそのとき気づいたことがある。

こばりん
「こいつらみんな勉強してないんだな!(笑)」

 

おれの高校生活から勉強は一切なくなった。

クビになってから全くやらなかった。

 

数学はなんとなく好きだったというのもあって、3年最後の数学のテストだけは少しだけやったが、それを除いて一切やらなかった。

 

テストを受けないこともちょくちょくあった。

テストを受けるたびにみるみる順位が下がっていった。

卒業前ぐらいには下から2番目だった。

こばりん
「んっ??みんな勉強してんの?ってかビリ誰???全く勉強してないおれより下って相当バカだな(笑)」

 

そんなレベルの低いことを思っていた。

高校入学前は大学に行きたいと思っていたが、全く無理そうだ。

色々な大学を紹介している本を見ては

「行ける大学あるかなーー?」

と思っていた。

 

今から勉強して入るのは無理だ。

基礎なんか全くない。

でも大学には行きたかった。

行けそうなところはないか探していた。

 

大学のレベルはわからないが、興味を持った専攻の大学があった。

それが上智大学だった。

 

ある教師に授業中にどこの大学に行きたいのか?

と聞かれた時に非常識で無知なおれは「上智大学」と弱々しく覇気のない言葉で答えた。

 

教師は一呼吸間をあけて言いづらそうに答えた。

先生
「上智はねー、六大学の下ぐらいのレベルだよ」

暗に「お前にはムリだ宣言」をしたのだ。

 

さらに勉強しなくてもいい大学が無いか調べた。

工業高校にはある程度の成績を取っていれば自動的に大学に入れる「指定校推薦」というものがあることを知った。

そして、指定校推薦で入れる大学を探した。

 

いくつか見つかった。

そのうちの一つを担任に指定校推薦で行けないか聞いてみた。

生徒一人一人の進学や就職先について放課後に会議が行われている。

そこで担任はおれが指定校推薦で大学に行きたいことを話してくれた。

 

結果はダメだった。

そりゃそうだろうな・・・・

担任はオブラートに包んで説明してくれた。

担任
「とりあえず今の状況だと指定校推薦は出せないなーってことになった。でも、学校推薦ということならなんとか出してもいいってことになった」

 

学校推薦は面接受験をしなければならない。

正直なところ全く自信がなかった。

だから大学を諦めた。

 

就職は何にも考えていない。

働く気なんかさらさら無い。

 

さらに進学先を考えた。

専門学校を見てみた。

いろんな学校があるものだと思った。

 

興味のある学校は一切なかった。

しかし、ただ卒業はできない。

卒業したら一人暮らしをしたい。

実家に暮らすのは嫌だ。

どうにかして探さないと。

 

何度も大学や専門学校の紹介本を見直した。

ついに興味が湧きそうな学校を見つけた。

 

新潟県にある専門学校だ。

スポーツ系の学校だ。

インストラクター養成をメインにしているが、スノーボード学科を選択した。

 

どうせどこかに行かなければならない。

その晩、母親に聞いてみた。

どんな気持ちだったかわからないが了承してくれた。

 

とりあえず卒業してフリーターになるよりも何かしらの学校に行ってくれた方がいいと思ったんだと思う。

 

そして、担任に話し、会議にかけられた。

指定校推薦は受けられず学校推薦で受験を認めてくれた。

 

大学ではないから適当に面接をすれば受かるだろうと思っていた。

専門学校に応募し、後日、兄とともにはるばる新潟へ面接に行った。

 

案の定、面接は適当に問答するだけで、後日、無事に合格通知が届いた。

 

高校では授業に出なかったり、すぐにイラだったりとクラスでも浮いた存在だった。

当然そんな奴をよしとする奴はいなかった。

 

だからおれはいつも一人だった。

 

体育の授業でチームスポーツをやっていたときだった。

おれには友達はいない。

 

結果おれはチームには入れず、ずっと端っこで体育の授業を「ボーッ」と見ていた。

スポーツは好きだった。

身体を動かすのは好きだった。

 

でもおれは端っこで人がやっているスポーツを黙って見ていた。

体育の授業があるたびに出席だけして人が楽しく汗をかいている中、おれは端っこで黙って見ていた。

 

嫌われているのは肌で認識していた。

そんなもん雰囲気でわかる。

もう仲良くしようなんても思わなかった。

 

とりあえず授業にでて、出席だけとってなんとか卒業にこじつけようとだけ考えていた。

 

専門学校では心機一転、新しい生活が始まる。

きっと楽しい学校生活になるだろう。

新しい友達もできる。

 

高校時代に嫌われていたことなんか誰も知ったこっちゃない。

荒れていた生活をしていたことなんか誰も知らない・・・

 

 

次章
【5章】心機一転インストラクター専門学生!のはずが・・・崩壊の4重奏協奏曲が響き渡る

そんな清々しい気持ちで新たな専門学校生活がスタートした。

しかし、身体に染み付いた生活スタイルは簡単には変わらない。

1ヶ月もすればだんだんと無理をしていたボロが出始める。

 

そして楽しい学校生活を過ごすはずだったが、階段から踏みはずしたようにさらに乱れていった。

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