【3章】恋愛に部活に青春!なんて幻想は一切ない!ガタガタと崩れる人生の歯車

2章までのあらすじ
夢を失い超優良なAIとなったこばりん。

【2章】「たった一つ」の夢を失った中学生時代の発情がまん大会

かけ声があれば言い終わる前に返事をしてしまうほど鍛え上げられた野球部。

ムチで叩かれうめき声を上げる幼なじみの声を聞きながら体罰が当たり前の時代を生き抜いた。

地元工業高校に進学したこばりんはさらに人生の深みにハマり孤独になっていく・・・

17歳のこばりん
もうおれにかかわんなっっ!!!!(怒っ怒っ怒っ怒っ怒っ怒っ怒っ怒)

高校3年の夏休みを目前としているとき、おれは家出を決意した。

家族に対するイラ立ち、クラスでは友達が一人もいない、バイトではバシャバシャと浴びるように怒鳴られる。

不信感にまみれた生活におれは嫌気がさした。

 

もういてもたってもいられないくらいムシャクシャした俺は実家から離れることを決意した。

東京に決めた!!

 

すぐさまに東京に行こうと思った。

東北の田舎町から東京はかなり遠い。

新幹線で行けば数時間だが、1〜2万円もお金がかかるからすぐ却下した。

ささやかなバイト代のみしかないのにそこで数万円もの大金をだしていられない。

 

無免だがバイクで行けないものか考えた。

ガソリン代ぐらいなら安いもんだと。

すぐに友達に電話して、バイクを借りれないか聞いたが無理だった。

残された答えは一つだった。

 

「チャリだ!」

 

時間はある。

だからお金をかけない方法。

17歳の高校生に残された選択肢はチャリしかなかった。

 

夕暮れ前だったか、毎日のように麻雀を打っていた友達に別れを告げ上京を目指し、おれはチャリをこぎ始めた。

ヒョウタンから子馬ぐらい信じられない壮絶な「チャリ上京物語」が始まった。 とりあえずチャリをこぎ続けた。

 

17歳とはものすごいパワーを持っていると今でも思う。

普段から走ったり何かしらの運動をしている。

学校の運動部に入っている。

ということなら身体が強いんだなということがなんとなくわかるが、

そうじゃない・・・・

部活になんか入っていない。

 

家でロールプレイングやパズル、桃鉄といったゲームをやったり、徹夜で麻雀をやったり、時々、バイトしてみたりといったことしかしていないのにチャリをこぎ始めてから数時間もの間、ずっとこいでいた。

ハムスターのようにペダルを回し続けた。

疲れていようが関係ない。

 

「おれは家を出る!上京する!おれは一人で生きる!」

バイトで貯めた泣け無しの3万円を握りしめ、固く決意していた。

 

強い想い、強い信念があった。

だからこそ、疲れていようがおかまいなしに数時間もの間こぎ続けた。

マラソン選手がよく言っている「ランナーズハイ」状態になっていたと思う。

 

1回目の休憩。そこは懐かしい町のコンビニだった。

 

国道沿いにあるコンビニで初めての休憩をとった。

もちろん初めて入るコンビニだ。

 

すでに空は暗くなり、道路はあまりよく見えない状況になった。

コンビニでおにぎりを3個とポカリを買った。

3万円を握りしめて家を出てきた。

 

どうやりくりするかは考えていなかったが、「切り崩しながら生きるしかない」と考えていた。

少しの休憩したのち、おれは再びチャリにまたがり、何かしらの夢を抱いて上京を目指しこぎ続けた。

 

その先はついに県境。

小さい頃から育った地元の県から自らの足で飛び出すことに。

 

県境に潜むまさに鬼のような峠が待っていることも知らずに・・・

 

ひと夏のチャリんこ家出物語 「第1話 腐りきった高校生活」

※壮絶な家出物語は一つの短編小説ぐらいのボリュームがあるので番外編でご覧ください^^

 

 

アッパーを喰らったかのように夢が打ち砕かれた!結婚式場のバイト

 

地元で有名な結婚式場でバイトをしていた。

バイト代は相場の600円だ。

 

650円なんかもらっているやつの話しを聞くと

「なんでお前がそんなもらってんだよ(怒)」

と思うほどだ。

 

高校生時代はバイトを5つぐらいやった。

その中でもこの結婚式場のバイトはとんでもなかった。

 

仕事ってクソだなと心底思った瞬間の俺とマネージャーの会話。

17歳のこばりん
時給ってあがるんですか?
マネージャー
上がるよ^^
17歳のこばりん
マジっすか・・・!!??

頑張れば上がるんですか?^^

マネージャー
上がるでしょ!!!^^

 

俺のテンションは大きな波が押し寄せてくるように最高潮に上がってきた。

 

17歳のこばりん
(今まで)上がった人っているんですか??
マネージャー
いないよー!ニコニコ^^
17歳のこばりん
・・・(バカかこいつっ!!)怒ッ怒ッ怒ッ怒ッ怒ッ

 

話しにならない。

 

バイト先の結婚式場はまるで生き地獄のようなところだった。

結婚式場といってもそれはメインである。

他にも葬式や会議、演説、パーティー会場、ビアパーティーなど様々な会場になる。

 

ことのほか、結婚式は悲惨だった。

結婚式をあげる新郎新婦は人生の中でもトップ3に入るぐらい幸せな出来事であろう。

それを見守る家族や友人たちは一つのライフイベントとして楽しい時間を過ごすんだろう。

 

一つの壁を境にした先では「罵声」が飛び交う戦場だとはつゆも知らずに・・・

 

バイト軍団
うるせーーババアーーー(怒ッ)

 

料理を運んだり空いた皿をさげたりするのは社員であるウェイターや派遣されてきたウェイトレスだ。

その料理を運びやすくしたり、下げてきた皿をすかさず片付けていく役目が裏方のバイトだ。

 

料理の数は200〜300もある。

 

裏方は人がやっとすれ違えるぐらいの通路だ。

そこを料理と運ぶ人とバイトたちが家の屋根を吹き飛ばす嵐のように行き交う。

20人近くが目まぐるしくしている。

そんなところで必死に作業をする。

そんな中でもウェイトレスのやつらは文句を言ってくる。

 

ウェイトレス
リーダー
遅い!

邪魔だ!

早くしろ!

これだって言ってるだろ!

 

バイトたちはイラ立っていた。

「こっちだって真剣にやってんだ(怒)」

「あそんでじゃねー(怒)」

内心がフツフツと沸騰してきた。

 

派遣ウェイトレスのリーダー格のおばさんが放った言葉が火種になった。

 

ウェイトレス
リーダー
これだっていってるでしょ!!
バイト
うるせーーーババアーーーー(怒ッ怒ッ怒ッ怒ッ)

知らねーよ!そんなの(怒ッ)

もっと早く言えよ(怒ッ)

 

まさに平成の「百姓一揆」が起こり始めようとしていた。

 

ウェイトレス
リーダー
ババアって何よ!ババアって言わないでよー・・・悲

 

リーダー格のおばさんがそう言った後からバイトたちに対してイラ立つような発言はしなくなった。

 

「わかりゃいいんだよ!わかりゃ!怒ッ」

 

バイトたちの間には「勝利の盃」が振舞われるようだった。

しかし、結婚式はそれだけでは終わらない。

 

世の中には幸せな人たちが何人もいるもんだ。

6月は結婚式ブームだ。

壮絶な結婚式を1日に3回も繰り広げるのだ。

つまり3本立てだ!

裏方が戦場になっていることも知らず。

 

1日3回もあるとなると必然的に働いている時間が長くなる。

1回目の結婚式が朝9時半から始まる。

2回目が13時半ぐらい。

結婚式の時間は2時間半ぐらい。

1回目が終わるのが12時過ぎ。

 

幸せな人たちはゆっくりと会場を後にするから会場が空くのは12時半。

 

「んっ!!???」

「次の開始まで1時間しかないっ!!!!!!」

 

そこから2回目の結婚式の準備を始めるのだ。

席数は当然200〜300ぐらい。

 

野生の中を激しく走り回る猛獣のように。

カラオケパーティーで騒いで「どうやればこんなにちらかるんだ??」と

思いたくなるぐらいに散らかしたテーブルをすぐさまに片付ける。

 

料理は大して美味しくないのだろう。

テーブルの上に置かれている皿の上には食べ残された料理たちが悲しそうに立ち並んでいる。

それらを感情を持たないロボットのように社員、バイトたちが一斉に片付け残飯と化す。

 

テーブルを決まった位置に移動し、テーブルクロスを交換し、いすをキレイにする。

30分もすれば次の会場の形がほとんど出来上がっている。

来賓が入場するギリギリまでにフォークや皿、コップ、引き出物などを置いていく。

 

新郎新婦の席は高台だ。

高台を移動するのはかなり力仕事だ。

結婚式の規模によっては移動することもあるし、形を変えることもある。

一気に握力がなくなる。

やっていることはまさに職人技。

 

式場に入ってきた来賓たちは何事もなかったかのように思っているだろう・・・

 

数秒前まで会場準備をしていたことなんかは一生知らないだろう。

中には昨日のうちに準備していたと思っている人もいるはずだ。

 

それを感じさせないところはプロだ。

言い訳はしない。

完璧にやり切る。

そして、お客さんに喜んでもらう。

これぞ、職人であり、プロといえる。

 

2回目の結婚式が終わり、3回目の結婚式の準備をはじめる。

 

13時半入場、14時から式開始、2時間半の楽しい時間を過ごし30分かけて会場を後にする。

18時から次の式が始まる。

2回目の時と同じように激しく動き回り、次の準備をする。

3回目は21時ぐらいに終わる。

そこからやっと片付けだ。

 

終わることが楽しみになっていた。

 

もう身体は限界に達しクタクタだ。

3回目の結婚式の片付けが終わったあとに待っていたのは

なんと「夢にも思っていなかったご褒美!!」ではなく

次の日の結婚式準備なのだ。

 

そう

「夢にも思っていなかった悪夢!!」

なのだ。

 

さっきも言ったが、6月の結婚式ブームは信じられないほど過酷な労働だ。

 

週末の土日は結婚式3本立てフィーバー。

 

次の日の準備は時間制限はないが、ダラダラやっていられない。

さっさとやってしまって次の日に備えなければならない。

その日の幕が閉じるのは23時だ。

 

おれは朝8時ぐらいから働いている。

15時間も地獄にいた。

おれの稼いだ給料はなんと

 

600円 × 15時間 = 9000円

 

残業手当なんか関係ない。

一律600円だ。

 

それが2日間続く。

週末の前日は結婚式準備があるので学校帰りから働いている。

15時半から21時半までだ。

 

つまりおれが3日間で稼いだ金額は

4時間と15時間と15時間

合わせて34時間

600円 × 34時間 = 20400円

 

地獄のように働いてたったの2万円だ。

 

34時間といったら週40時間にせまる勢いだ。

まともな会社ならもっともらってもいい。

 

しかし、いくらなにを言っても、もらえるのはたったの2万円だ。

 

過酷な労働は体力を激しく消耗し何度か心が折れそうになった。

そうはいっても高校生にとっての2万円は大金だった。

 

2万円もあればなんでもできそうな気になっていた。

今考えると結婚式を挙げてくれる人がいるからこそ、バイト代がもらえるのだと思うとなかなか面白い経験をさせてもらえた。

 

当時はそんな生易しいことは微塵も想像できなかった。

さらに、壮絶なのは結婚式だけじゃ終わらない。

 

本能的に

「楽しい」

「また来たい」

「これはすごい」

とか幸せを感じるものにはたいてい裏がある。

 

結婚式のように裏がある。

提供している人が幸せであればいいのだが、そんな仕事はどれだけあるのか・・・

 

あるとき、結婚式場でバイトをしていた時にいかにも年上で二十歳ぐらいに見える一目惚れしてしまいそうなぐらいキレイなお姉さんがバイトをしていた。

 

初めて見たのだが、いかにも慣れた手つきだった。

 

そのお姉さんは結婚式が立て込んでいる時期にバイトに来ていた。

他にもっとまともなバイトがあるはずなのに「なぜこのバイトをしているんだろう?」と不思議に思った。

 

タイミングを見計らってお姉さんにたずねてみた。

こばりん
なんでこのバイトしてるんですか?
お姉さんは答えた。
お姉さん
以前、ここでバイトしている時に結婚式でウェイターをやったの^^

その時の結婚式を見てものすごく感動して泣いてしまったの

想いが過酷な労働を超えている。

お姉さんにとって結婚式で働くことが幸せなんだと思った。

 

だけど、そんな人は極めてまれだ。

多くの人は生活がかかっている。

 

町一番のビッグイベント到来

 

ギンギンに太陽の光が照らしだす真夏に街を挙げてのビッグイベントがある。

他の市町村からも観光客がドッと押し寄せてくる。

 

県内だけでは収まらず、はるか遠い関東からもやってくる。

小さな東北の田舎町に東京やその周辺地域からものすごい数の人がやってくる。

無論、関西からも人が押し寄せて来る。

集まり方がハンパじゃない。

 

街中が人で溢れかえる。

 

乗車率100%を超える満員電車の中をとなりの車両に移動するために人が歩くような状況だ。

人口10万人の街が突如としてその日だけ70万人になる。

それだけの人を魅了するビッグイベントが繰り広げられるわけだ。

 

バイト先の結婚式場はそのビッグイベントを指をくわえて見過ごすわけがない。

ビッグイベントを満喫してもらうために屋上をビアガーデン会場にして料理やお酒を振る舞う。

見たことはないけど、お客さんは昔の貴族のようにさぞかし盛り上がるんだろう。

 

ビアガーデンの会場作りとは過酷だ。

まず全く何もない1年中ほったらかしにされた屋上をキレイにしなくてはならない。

ある程度キレイにした屋上を会場とするためにテーブルやイスを運び込む。

 

その建物は3階建てだ。当然、屋上はその上にある。

テーブルや数々のイスは一階の職員玄関から外に出て少し進むと物置きというなのワゴンタイプの車が4台ぐらいは入りそうな古びた小屋がある。

必要なものはほとんどそこに置かれている。

 

半径が背丈よりも長い2つ折りにされた合板のズッシリとした重みのあるテーブルをひたすら運ぶ。

大きなテーブルで視界はさえぎられる。

 

狭い玄関をくぐり抜け、左側にはすぐさま2階へと続く階段がある。

学校の階段のように2階に上がればすぐに3階に上がる階段がる構造じゃない。

2階に上がってから一度通路を歩き、3階へ上がる階段へ行かなければならない。

 

人がすれ違うことがやっとの道を通り、やっとのこと屋上へたどり着く。

それを10回ぐらい繰り返す。

 

ようやくテーブルを運び終えたと思ったら、次はイスやら会場を盛り立てる道具を運び出す。

 

何往復かゲキ重のテーブルやら重なった椅子を運び出しているときだった。

暑さを照らしつけられるのと疲労が相乗効果を生んだのか、屋上への階段を上る途中に片足をつってしまった。

 

17歳のこばりん
「つりそう・・・つりそう・・・」

 

足に違和感を感じ始めた矢先にそう呟きながら運んでいた。

その矢先、

17歳のこばりん
「痛ぇぇぇぇぇぇぇぇーーー(怒)」

 

もろくも左足のふくらはぎがつりあげた。

その瞬間に運び出しの流れが止まり、そこにいた人たちは手を下ろした。

17歳のこばりん
「あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー(怒)」

 

と叫んだ瞬間、バイトリーダーではないが長年バイトしている40代ぐらいの寡黙なお祭り好きのジジイが叫んだ。

ジジイ
「うるせっーーーーー怒怒怒怒怒」

 

辺りは静まり返った。

そんな出来事がありながらも無事にビアガーデン会場は完成した。

 

だが、それで終わりではない。

結婚式場などで使っている会場もパーティー会場として設営するのだ。

またもや、テーブルなどを運び出す。

 

次は畳みも運び出した。

社員なんかは一気に畳み3枚を持ち運ぶ人もいた。

テープルだと2枚だ。

この過酷な職場で筋力もメンタルも相当鍛えあげられているのがわかる。

まるで軍隊としか言いようがない。

 

はっきり言って100%ブラック企業だ!

 

そんなこんなでビッグイベントは多くの人を魅了した。

何事もなかったかのようにビッグイベントを終えた次の日には「ヒーヒー」言いながら物置き小屋へと片付けた。

 

ほとんどの同世代のやつらは思春期を楽しむようにビッグイベントを楽しんでいる中、おれはいそいそとバイトをしていた。

 

その時は初めての駐車場案内をやった。

 

ものすごくビックリ、驚愕した!

 

こんな楽な仕事があるのかと。

ただ座って、来た車を決まった駐車場に案内するだけ。

それだけで1万円ももらえたのだ。

 

実はバイト先からビッグイベントの日に2種類のバイトがあるけどどっちかやらないか?

という提案を受けていた。

1つは駐車場案内

もう1つはパーティー会場の裏方

結婚式場とおなじやつだ。

 

バイトするかどうか自体を悩んだが、15時から21時までの6時間でバイト代が1万円だった。

どっち選んでも1万円だ。

いつもは時給600円だ。

6時間で1万円ということは時給が1500円を超えることになる。

 

お金が欲しかった俺にとっては

17歳のこばりん
「めちゃくちゃ割良いじゃん!!^_^」

と思ったから少し悩んだ結果やることにした。

 

駐車場案内を勧められ、なんとなく説明を受けていたら楽そうだったから駐車場案内をすることに決めた。

さらにおれはマネージャーに聞いた。

 

17歳のこばりん
「パーティー会場は何時までやるんですか?」
マネージャー
「23時ぐらいかなー??」
17歳のこばりん
「駐車場案内終わったらそっちいってもいいですか?」
マネージャー
「おっ!!いいよー^^」
17歳のこばりん
「バイト代っていつもより多いんですよね?」
マネージャー
「そうでしょ^^」

 

これが決め手だった。

バイト代がいつもより高い。

脳内はこうだ。

 

「6時間で1万円でしょ!!・・・21時から23時まで2時間だから1万円を3で割れば3333円だなーー・・・じゃあ、バイト代は13500円ぐらい貰えるかな(ニタニタ、へへへ・・・^^)」

 

高校生がビッグイベントを堪能する大切な思い出を差し置いておれはバイト代が高額にもらえるという理由でバイトするというストイックな道を選んだ。

 

仕事を終えてからは「バイト代はいくらなんだろうなー?^^」と楽しみにしていた。

その時のバイト代の支払いの仕方がいつもと違った。

いつもはバイトした2日後に事務所に受け取りにいくシステムだ。

おそらく他に単発バイトで働いてる人もいるからか、その日の内に即金手渡しだった。

知らない顔ぶれがいて、「中ではこんな人が働いていたのかー」と思っていた。

 

そして、ついにその時は来た!!!ニヤニヤ^^

 

マネージャー
「駐車場案内と片付けの仕事だからそのぐらいでしょ^^」

 

マネージャーはそう言いながらおれに渡した。

ニタニタしながら浮き足立ったかのように茶封筒の給料袋をもらった。

他の単発バイトはすでに帰っていた。

 

給料袋を手にしていると心臓の鼓動が高まる。

 

「ドックン、ドックン」という俺の心の中に響き渡る振動が鳴り止まない。

 

今までで一番高い給料をもらうからだ。

楽しみでしょうがない。

 

その場でホッチキスで留められた茶封筒の封を切った。

待ちに待った給料。

高校生のもっとも大切なひと夏の思い出を犠牲にしてまで働いた給料。

 

ここまでで気になったことといえば、もらった瞬間に感じることができなかったジャラジャラという小銭の感覚がないことぐらいだ。

 

17歳のこばりん
「まー確かにビッグイベントに小銭は似合わないよなー^^」

と思いながら、茶封筒の中を覗いてみた。

諭吉色が見えた。

茶色よりも黒い、焦げ茶色とでもいうのか。

 

おれの鼓動がさらに高まる。

むしろこの場合はハートビートといったほうが適切なのかもしれない。

人生の中でもごく稀にしか味わうことのできない身体で感じる喜びというものだ。

 

諭吉くんのうしろに隠れている漱石ちゃんが見えてきた。

心の中で漱石ちゃんを数えた、

17歳のこばりん
「えぇぇっと、1枚、2枚・・・・・」
17歳のこばりん
「うっっっっっ!!!!!???????」

 

すぐさまお札を袋から取り出した。

 

12000円!!!!!

 

どうみても他にお金はない。

目の前にはマネージャーがいる。

 

17歳のこばりん
「これって安くないですか(ちょいギレ)」
マネージャー
「んーーー支配人がそのぐらいだろうって言っててね^^」
17歳のこばりん
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー怒怒怒怒怒怒」
17歳のこばりん
「マジふざっけんなよっ(怒ッ怒ッ怒ッ怒)」
17歳のこばりん
「おれのひと夏の思い出どうしてくれんのよっ!!これっ!!」

 

ブツブツ帰りのチャリで口ずさみながらおれの高校生最後の夏は終わった・・・

 

【4章】晴れやかな卒業!?で気づかされた生きていく惨めさ。人生を揺るがす一つの選択

高校の卒業式は晴れて社会人になる前の一つの儀式。

しかし、こばりんにとってその儀式は地獄への階段を歩み続ける入口のチャイムだった。

さらに荒れ狂い、チャリで家出をしてしまう。

荒波のようなドロ沼に両足を同時に踏み込んでいく・・・

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